藤田嗣治 未公開作 37点発見
藤田嗣治の未公開作37点発見 鮮やかな色彩で子供描く
画家の藤田嗣治(レオナール・フジタ、1886-1968年)の晩年の未公開作品37点が発見されたと、ポーラ美術館(神奈川県箱根町)が8月30日に発表した。鮮やかな色彩で子供たちの姿を厚紙に描き、タイル状の板に張り付けたもの。9月6日から同館で公開される。
作品は大人のしぐさや行動を子供にさせたものが多く、56年から58年にかけて集中的に制作され、中には「産院」(1958年)のように、晩年の連作でパリの職人に扮した子供を描いた「小さな職人たち」(58-59年)と共通するテーマのものもある。遺族の関係者から、これらの作品がフランスに存在するとの話が寄せられ、今年8月までに同美術館に収蔵された。
「今回見つかった作品群の一部は『小さな職人たち』の原型と思われる。ただ、職人以外の人物像も描かれており、今後の調査が必要だと思います。」(内呂博之 学芸員)