Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

東京・大倉集古館

artscene2011-08-20


大倉喜七郎と邦楽
美術に視る音色

【2展併催企画】



〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-3
ホテルオークラ東京本館正面玄関前)

TEL:03-3583-0781
FAX:03-3583-3831


開館時間 10:00-16:30(最終入館 16:00)


休館日 月曜日(休日の場合は開館)、年末年始、展示替期間




主な展示作品
「宮楽図」 (桃山時代・17世紀)
「遊楽人物図」 (江戸時代・18世紀)
狩野常信 「松に琴・紅葉に琵琶横笛図」 (江戸時代・18世紀)
鈴木其一 「宮女奏楽図」 (江戸時代・天保2(1831)年)
鏑木清方 「七夕」 (昭和4(1929)年)
伊東深水 「小雨」 (昭和4(1929)年)
「桐菊花蒔絵笙」 (江戸時代・17世紀)
「秋草鹿図四弦琵琶」 (江戸時代・18世紀)




美術を前にして、人は時に視覚以外の様々な感覚をよび起こされることがあります。しばしば視ることによって聴くというような経験しますが、もちろん描かれた楽器や奏者が音を奏でることはありません。音楽を耳で聴くのではなしに、目から得た情報により聴こうとするのはなぜなのでしょうか。過去に聴いた音楽の再現、もしくは理想の音楽の構築、更には想起される様々な物語の一場面の追体験など。そこには当然ながら人の記憶を背景とした豊かなイマジネーションが介在します。本展では、当館の日本・東洋美術コレクションの内、画中に楽器が描かれた絵画作品を中心に展観いたします。



大倉財閥の2代目で、バロンの愛称で親しまれた喜七郎(1882〜1963)にゆかりの深い邦楽関係の資料を展示します。喜七郎は大正末期から昭和初期にかけて、今までになかった新しい日本の音楽を志向し、尺八にフルートのベーム式キーシステムを取り入れた新楽器「オークラウロ“Okraulo”(もしくはオークラロ)」の考案・制作を手掛けたほか、伝統的な三味線音楽に西洋音楽の歌唱法などを取り入れた「大和楽」を創始するなど、日本の伝統音楽と西洋音楽の長所を併せ持つ音楽の創生を試みました。本展覧会では、現在では幻の楽器ともいわれる「オークラウロ」について、当時使われていた楽器や制作の過程における試行錯誤を物語る楽器の試作品、「オークラロ楽団」の関連資料などを中心に展観します。
また、「大和楽」が今日まで受け継がれ、更なる発展を続ける活動の一端をご紹介いたします。ほかに、当時、美術・音楽をはじめとする文化のパトロンとして異才を放った喜七郎の人物像を偲ばせる自筆の詩軸や愛用品等を展示いたします。