Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

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吉祥寺美術館

artscene2011-07-18

シンプルな線で描かれたユーモア溢れるアニメーションやイラストで知られる古川タク(1941−)は、高校生の頃から漫画を描き始め、1960年代には久里洋二の主宰する実験漫画工房に入社して本格的にアニメーションを学んだ。

 
 独立後、短編アニメーションを次々と発表し、1975年にはアニメーションの元祖とも言われる19世紀の映像玩具へのオマージュ作品《驚き盤》でアヌシー国際アニメーション映画祭審査員特別賞、1980年には《スピード》で毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞など、国内外で高く評価された。

 
 またNHKテレビ「みんなのうた」の映像を定期的に手がけてきたほか、イラストレーターや絵本作家としても幅広く活動しており、近年は東京工芸大学で教鞭をとる傍ら、自称世界最高齢アニメーション創作集団「G9+1」の一員としても活動するなど精力的に制作を続けている。


 フィルムからデジタルへ、時代とともに変化するメディアにあわせてアニメーション制作も変化し、CGや3Dなどによる大作が注目される一方で、古川の描き出す短編作品は、パラパラ漫画のような軽妙さがあり、アニメーションの根源である「絵が動く」という現象への単純な驚き、面白さをあらためて思い起こさせてくれる。


 本展ではアニメーション上映のほか、イラストや絵本原画、インスタレーションなどにより、古川タクの多方面にわたる創作活動を紹介。ふにゃふにゃの線から浮かび上がる、時にあたたかく、時に鋭いユーモアの世界。



古川タク展「あそびココロ」“1本の線から”
会期 2011年7月9日(土)- 8月14日(日)
休館日 水曜日(節電のため7・8・9月は毎週水曜日臨時休館)

開館時間
午前10時-午後7時30分


入館料 100円(小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)