Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

栗原美穂 ピアノコンサート

artscene2011-07-11

 7月15日(金) 16:30−17:15

  東日本大震災犠牲者とタチアナ・シェヴァノワ先生

  追悼コンサート ピアニスト 栗原美穂 (タチアナ門下生)

  7月15日(金)  16:30-17:15  (45分間)

  ミニピアノ発表会

  ところ:  Suginami公会堂・グランサロン (荻窪駅北口5分)

  使用ピアノ:  ベヒシュタイン


  どなたでも無料でお楽しみいただけます。
  

  演奏プログラム 

  ルドミル・ルジツキ:

   「イタリア」より  アヴェ・マリア

  

  フランツ・リスト:

   巡礼の年 第1年「スイス」より  郷愁

 

  瑞慶覧尚子: 

   サン・サーラ I, II, III

 

  セザール・フランク:

   プレリュード、コラールとフーガ

  

  招待券申し込み・お問い合わせ:

  tel: 070-5012-7587

  mediaterrace@gmail.com

  

  アートシーン  ”コラール”

  担当:  杉本



 

  ピアニスト:  栗原美穂

  東京都 あきる野市生まれ。4歳よりピアノを始める。

  秋渓舎ピアノ教室を経て、国立音楽大学附属高等学校、同大学を卒業。2002年よりポーランド国立ショパン音楽大学、研究科にて研鑽を積む。

  2003年、ポーランド政府の奨学生に選出され、2004-2006年、ポーランド国立ビドゴシチ音楽アカデミーにて、タチアナ・シェバノワ教授に師事する。2006-2008年、再び政府の奨学金を得て、ポーランド国立ワルシャワ大学、音楽学学科の研究過程を修了。2008年9月より、ポーランド国立サノック音楽学校でピアノを教えながら、ビドゴシチ音楽アカデミー、修士課程に在籍。 T. シェバノワ、J. ジェビエツキ両教授の指導の下、2010年、最優秀の成績にて、修士号(芸術/ピアノ)を取得。




  2006年、ウィーンで開催された「演奏と音楽教育」音楽コンクールにて3位を受賞。また、いくつかの国際ピアノ・コンクールで入賞。演奏活動はポーランドの各地において、リサイタル、音楽会、国際音楽フェスティバル、国際ピアノ・セミナー、ナイト・ミュージアム、ヤン・パヴェル2世のローマ教皇選出記念式典など。

 

  

  2010年、第5回サノック国際ピアノ・フォーラムではP .ピラテュークの指揮の下、リヴィウ音楽大学オーケストラ、ポーランド3都市の合唱団とベートーヴェンの「ピアノと合唱の為の幻想曲 ハ短調 作品80」で共演。




 その一方、2006年より、毎年ショパン音楽大学で開かれている日本人対象の音楽セミナーにて、通訳を担当。2007年、スタニスラフ・ジェビエツキ・日本演奏ツアーの報告書が音楽誌「マエストロ」に掲載され、2009年、ドイツのブリュットナー社より発売されたCD:J.S.バッハの「1〜4台ピアノとオーケストラの為の協奏曲(J. マクシミュク指揮)」では冊子の曲目解説を手がけるなど、ポーランド音楽への理解と語学力を生かし、日本とポーランドの架け橋となるべく活動を繰り広げている。2010年10月、ポーランド市民交流友の会主催「アンジェイ・ヤシンスキ教授に聞く 第16回フリデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール(ピアノ公開講座)」を同時通訳。

 

 ピアノをこれまでに岩田美樹、高尾茂治、カジミェシ・ギェルジョド、タチアナ・シェバノワ、パウルグルダ各氏に師事。 今現在、国立サノック音楽学校及び私立サノック音楽学校で後進の指導に当たりながら、ポーランド各地で演奏活動を続けている。 また、2011年9月には、ポーランド若者音楽家コンクール2009で優勝したアコーディオン奏者 バルトシュ・グウォヴァツキを日本に招聘し、共同の演奏ツアーを予定している。

 

 追悼・ Tatiana Shebanova タチアナ・シェバノワ 先生

 ロシア、モスクワに生まれる。物理学者の父、ピアニスト兼ピアノ教師の母の下、豊かな音楽環境に育ち、幼少より類稀なる音楽的才能を示す。モスクワ音楽院でヴィクトル・メルジャーノフ教授に師事。1978年に同音楽院を首席で卒業した後、10年間に渡り教授のクラスでアシスタントを務める。



 プラハ国際ピアノコンクール(1969年)、ジュネーブ国際音楽コンクール(1976年)、ブリュッセル国際ベーゼンドルファー・コンクール(1990年)で優勝、同時に数々の特別賞を受賞。1980年、ポーランドワルシャワで開催された第10回ショパン国際ピアノコンクールにおいては、第2位を受賞すると共に、ワルシャワ・フリデリック・ショパン協会よりポロネーズ賞、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団よりコンチェルト賞を受賞する。



 タチアナ・シェバノワの演奏活動は学生時代に始まり、その場所はロシア、カナダ、アメリカ、ヨーロッパのほぼ全諸国、アフリカ、フィリピン、そして22回に渡る演奏ツアーを行った日本に至る。日本ではリサイタルの他、各国のオーケストラと共演。およそ300回にも及ぶ演奏会の中では、ポーランド国立ビドゴシチ音楽アカデミーのピアノ科教授であり夫のヤロスワフ・ジェビエツキ、ポーランドを代表する若手ピアニストで息子のスタニスラフ・ジェビエツキともステージを共にしている。



 演奏レパートリーはクラシック音楽の全時代、あらゆる音楽様式に渡り、ベートーヴェンシューベルトシューマングリーグ、リスト、チャイコフスキーブラームススクリャービンラヴェルプロコフィエフポーランド人作曲家シマノフスキ、キェシェロフスキの作品の他、バッハの平均律クラヴィーア曲集(全48曲)及びパルティータ(全6曲)、モーツァルトのピアノ・ソナタ(全18曲)、ドビュッシーエチュード(全12曲)、メンデルスゾーンの無言歌集(全48曲)、ラフマニノフ前奏曲(全24曲)及び全ての編曲作品、フェインベルグの編曲によるバッハのコラール前奏曲(全12曲)、並びにショパンの全作品を含む。また、現代作曲家J.ゴゥビェヴ、J.アレクサンドロフ、V.ブロックの作品を世界初演する。



 世界中のレコード会社と契約を交わし約60枚のCD/LPを残したが、その中には、2010年のショパン生誕200周年を記念して録音された作曲家の全作品集、並びに、国立ショパン研究所の依頼を受け「ショパン時代の歴史的楽器プレイエルで録音された作曲家の全作品集」が含まれる。この世界初の試みであった録音活動は、重い闘病生活にも関わらず、音楽への深い情熱と不屈の精神で死の数ヶ月前まで続けられ、2年余りのうちに完成された。



 輝かしい演奏活動の一方で、シェバノワはドイツ、オランダ、日本、ポーランド各地のピアノ国際マスターコースに招かれ、後進の指導にあたる。1988年、ビドゴシチ音楽アカデミーのピアノ科教授に就任。毎年、ポーランドのドゥシュニキ・ズドゥルイ夏期ピアノ・セミナー、サノック国際ピアノ・フォーラムにおいても、ピアニストに指示を仰ぐ学生が耐えなかった。



 生涯を通じてフリデリック・ショパンの音楽に傾倒したピアニスト、タチアナ・シェバノワは、奇しくも生誕200周年を祝うショパン・イヤーを締め括った作曲家の誕生日、2011年3月1日、眠るように息を引き取った。