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国立西洋美術館 遺産登録されず

artscene2011-05-29

  文化庁は28日、世界文化遺産に推薦したフランス人建築家、ル・コルビュジエ設計の「国立西洋美術館本館」(東京)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)などが遺産登録を「不記載」とする勧告をしたと発表した。4段階の勧告のうち、日本の推薦遺産では初の最も厳しい判定で、登録実現は極めて困難になった。日本が推薦した世界遺産候補で、不記載となったのは初めて。正式な登録の可否は6月のユネスコ世界遺産委員会で決定する。それまでに推薦を取り下げることもできるが、世界遺産委で不登録になった場合は原則として再挑戦はできない。



 国際記念物遺跡会議「イコモス」の勧告を受けたのは、フランスやスイスなど6カ国の19作品。西洋美術館は国内唯一のコルビュジエ建築物で、フランス枠で推薦。日本は共同推薦していた。勧告は、近代建築運動はコルビュジエ作品だけで普遍的意義を示すのは困難と評価し、19作品全体としては価値を認めなかった。一方、西洋美術館など一部作品については、世界遺産リスト記載への潜在的な可能性に言及した。 



 昭和34年完成の西洋美術館は、20世紀の建築や都市計画に大きな影響を与えたコルビュジエが設計した日本で唯一の建築物。今回、日本やフランスなど6カ国が、西洋美術館を含むコルビュジエ設計の建築物計19件を世界文化遺産に共同推薦していた。コルビュジエ作品は09年にも登録が先送りされており、今回も登録されない公算が大きい。
 
 
 勧告は「近代建築運動は大勢の建築家が参画し、コルビュジエだけでは説明できない」と指摘したが、
 サボア邸
 集合住宅のユニテ・ダビタシオン
 ロンシャン礼拝堂

 フランスにある3作品のみ個別に再推薦の可能性があるとした。

 日本が単独推薦した「平泉の文化遺産」(岩手)と「小笠原諸島」(東京)は今月7日に登録の勧告を受けており、6月の世界遺産委で登録が決まる。