Artscene 芸術の風景 -アートシーン 展覧会情報

芸術、美術、展覧会の紹介をしています。

 5月16日(月)NHK BSプレミアム

artscene2011-05-03


 シリーズ“いのち映す超絶工芸” 第二回

 ▽色彩めぐる小宇宙 七宝家・並河靖之

 http://www.nhk.or.jp/bs/gokujou/

 明治の七宝家・並河靖之。金属の素地に釉薬で彩色し焼成する七宝は、3000年以上の歴史を持つ。日本の自然の色彩の移ろいを繊細に表現した並河の作品は、最高峰とされる。葉の一枚一枚まで微妙に異なる色の移り変わり。花や鳥を縁取る緻密で表情豊かな線。それらを際立たせる漆黒の背景。一代限りで受け継がれなかった並河の幻の技の秘密と、その生涯を探る。

本放送:BSプレミアム 月曜 午後9時〜9時58分

再放送:BSプレミアム 日曜 午後1時〜1時58分



生年: 弘化2 (1845)

没年: 昭和2.5.28 (1927)

 明治大正期の七宝作家。武蔵国川越藩(埼玉県)藩士高岡九郎右衛門の3男として京都柳馬場に生まれ,安政2(1855)年,青蓮院宮侍臣並河靖全の養子となる。尾張七宝の祖である梶常吉の系譜に属する塚本貝助(1828〜87)は,ドイツ人のワグナーと共に七宝釉薬の改良に尽くしたが,並河靖之は貝助の弟子である桃井儀三郎英升に七宝技術を学び,明治3(1870)年ごろ京都に七宝工場を設立,京都で活躍した。同8年,京都勧業博覧会,10年第1回内国勧業博覧会をはじめ内外の博覧会などで受賞を重ね,11年ごろから七宝に専念した。梶常吉の系譜を引く有線七宝の技術と,黒色透明釉の発明や金・銀線を用いた筆致をも表現する細緻な線置きによる精巧な文様表現による日本画的な作風で,東京で活躍した無線七宝の濤川惣助と共に,明治七宝界を代表する作家であった。明治29(1896)年濤川と共に帝室技芸員に任命されている。