モネとジヴェルニーの画家たち(渋谷Bunkamura他)
クロード・モネ 《睡蓮》 1897-1898年 油彩・キャンヴァス 個人蔵
印象派の画家クロード・モネは、1883年、42歳の頃より、パリから約80キロほど北西に位置するセーヌ川沿いの小村ジヴェルニーに住み、近隣の風景を描いて名声を得ていった。当時のジヴェルニーは、300人ほどが暮らす典型的なフランスの農村であったが、セーヌ川とその流れが生み出した丘陵とが四季それぞれに穏やかな光景を展開させていた。この村はもちろんモネが描いた睡蓮、積みわら、ポプラ並木などの作品によって世界に広く知られることとなったが、モネの友人であるボナール、1915年頃までには日本の児島虎次郎をはじめ、19カ国を超す、300人以上もの芸術家がここを訪れている。
モネの噂を聞きつけて1880年代半ばにやってきたアメリカ人画家たちの滞在をきっかけに、村は賑わいを見せてピークを過ぎる1915年までには通算300人以上の画家が長期滞在した。格別、印象派の作品を早くから受け入れていたアメリカの画家たちは訪問者の70%をしめていたばかりか、ここに住んで制作した画家の数も多いときには50人を超すほどであった。ここはさながら芸術家のコロニーの観を呈していた。アーティストの共同体には夢があり、互いに分かち合える共通の価値をそこから汲み上げながら、この普遍性のなかに各自の個性を確立するという芸術の理想の夢であった。
訪れる画家が増えるにつれ、この村は一方でステレオタイプな場所にもなっていったが、画家たちは描く対象を自然から人物や村の暮らしに移すなど、常に斬新なものを求め、独自の様式に到達している。アメリカ印象派誕生の軌跡でもあった。
ジヴェルニーの自然と村の暮らしを描いたモネの作品に加え、日本で紹介されることのなかったアメリカ人画家の油彩、約75点で構成。モネの義理の娘ブランシュの作品、そしてこの芸術家村で制作したことでアメリカの印象派を形成するにいたる多くのアメリカ人画家の作品に焦点をあてつつ、一つの理想郷ではぐくまれた、風景と人々の生活の姿をテラ・アメリカ美術基金の協力のもと展示予定。北九州市立美術館(2010年10月9日(土)−11月28日(日))での後、東京へ巡回する展覧会。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/10_monet/index.htm
会 期 2010年12月7日(火)― 2011年2月17日(木)
開館時間 10時―19時 毎週金・土曜日は21時まで(12月31日を除く)
※入館は各閉館の30分前まで 元日のみ休館
交通案内 電車の場合 /お車の場合
主 催 Bunkamura、毎日新聞社
後 援 外務省、アメリカ大使館、在日フランス大使館
特別協力 テラ・アメリカ美術基金
協 力 日本航空、日本貨物航空
お問合せ
03-3477-9413 Bunkamuraザ・ミュージアム
巡回先
北九州市立美術館 2010年10月9日(土)−11月28日(日)
岡山県立美術館 2011年2月25日(金)−4月10日(日)
入館料
入館料(税込) 一般 大学・高校生 中学・小学生
当日 1,400円 1,000円 700円
前売・団体 1,200円 800円 500円
※ 学生券をお求めの際は学生証のご提示をお願いいたします。 (小学生は除く)
※ 障害者手帳をお持ちの方および介助者の方(1名)は、手帳のご提示で、入館料が一般:700円、大学・高校生:500円、中学・小学生:400円となります。
※ 団体は20名様以上。電話でのご予約をお願いいたします。 団体お申し込み先:Bunkamura TEL:03-3477-9413